僕のおうち工房

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注文住宅 なぜ海外製の食洗機が人気?

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注文住宅の食洗機事情

日本製の食洗機ではなく、海外製の食洗機の導入を検討しています。

注文住宅を建てられる方は、まず検討されるキッチン設備ではないでしょうか。

しかし、海外製の食洗機に惹かれるのはなぜなのでしょうか?日本でよく採用される欧州・ドイツとの違いを見ていく、文化の違いなど面白い理由が分かってきます。

ドイツの事情

海外の食洗機というと、ミーレ・ガゲナウ・BOSCH・AEGなどのブランドが世界的にも有名ですし、日本での採用もこのブランドが大多数のシェアを得ています。

この4社は全てドイツのメーカーなのですが、なぜここまでドイツが強いのしょう。

日本はPanasonic製がほとんどを占めており、リンナイも少しながら市場に出ていますが、海外製と比べてしまうと正直見劣りしてしまいます。

働き方

一昔前の日本人は専業主婦の方が多かったですが、今では半分以上の家庭で共働きになっています。

諸外国では共働きの世帯が多く、さらに家族との時間を大切する文化があります。

例えばドイツを挙げますと男性はフルタイムで、女性は時短ワークの働き方が多いです。

日本では旦那さんが夜遅くまで働き、家族との時間を取れないケースが多かったのですが、徐々に見直されていますよね。

この家族との時間を有効に使うためには、家事の削減が目下の課題になるわけです。

そこで日々の家事を軽減するために、食洗機が登場しました。

しかし、食洗機というカテゴリーではありますが、日本製と海外製ではコンセプトが全く違います。

日本製の食洗機

日本は昔から手洗いをする習慣が根付いています。

その国民性から、日本メーカーも食洗機の位置づけを家事のサポートとして開発を行ってきました。

最初に大きな汚れを落としてから食洗機に入れる、予洗いが前提なのです。

この予洗いが必要というのが非常に面倒ですよね。

「予洗いするぐらいならそのまま洗ってしまった方が二度手間にならなくて良いよね」と食洗機文化が根付かない要因になっていました。

ただ、日本製は乾燥機能が優れていますので拭くという作業を省けるのはありがたいです。

海外製の食洗機

決定的な違いは、予洗いNGでサポート役ではなく、食器洗いの完結型です。

汚れた状態で入れることを想定しているため、洗浄力がより強力です。にも関わらず静穏性もしっかり研究されています。ただ、稼働時間は段違いに長いです 笑

そして容量も一回りも二回りも大きく設計されています。

  奥行 高さ
日本製 45cm 60cm 55cm
海外製 60cm 60cm 80cm

奥行きは一緒ですが、幅と高さが非常に大きく鍋・フライパンも楽々と入ります。

ここまで大きい理由は、朝・昼・夜の1日分の食器を1回で洗浄することを想定しているためです。日本では使用した都度洗うのが普通ですが、海外では生活スタイルは異なっています。

ただ単に面倒だから・・・?でしょうか・・・?

 

エコ文化

ドイツを始め、欧州諸国の方たちはエコ意識が非常に高いです。

水を使いすぎる、消費電力が大きすぎる、そういった商品は消費者から認められず市場に受け入れてもらえません。

環境に配慮した素晴らしい国民性と言えるわけですが、経済面での理由もあります。

 

水道代が高価格

日本では水と安全はタダという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。

日本の地形は海に囲まれ、雨季もあり、水資源には非常に恵まれた環境に位置しています。そのため、諸外国と比べて水道代が非常に安いのです。

欧州の中でもドイツの水道代は特に高くなっています。

世界の水道事情

世界の水道料金マップ | 公益財団法人 水道技術研究センター

公益財団法人は有益な資料を多く作ってくれていますね。見ているだけで楽しく感じます。ですが、これだけだとあまり比較対象になりません。

 

欧州諸国の上下水道料金

内閣府-欧州諸国の水道料金

ドイツで生活したことがあれば良かったのですが、欧州に行ったことすらありません。

なので、内閣府が資料を作成していたので引っ張ってきました。それでは1㎥で5.16EURは高いのでしょうか・・・?

 

水道料金の比較

デンマークが一番高いですが、ドイツと比較します。

日本の水道料金は都道府県によって差がありますので、東京都を参考にします。

世帯別一ヶ月の使用水量

もっと知りたい「水道」のこと | よくある質問 | 東京都水道局

条件を合わせないといけないので、4人家族を想定して約25㎥と仮定します。

なお、1㎥は1,000Lです。

一ヶ月で25,000Lも使うのか・・・?と疑問が沸きますが、東京都水道局の統計データを使って検証です。

上水道
使用量㎥ 単価 金額
1~5 ¥0 0円
6~10 ¥22 110円
11~20 ¥128 1,280円
21~30 ¥163 815円
合計 2,205円

水道には上下水道の二つがありますが、蛇口をひねって出るのが上水道でメーターがついています。2ヶ月に一回の検針で数値が分かりますよね。

下水道
使用量㎥ 単価 金額
0~8 560 560円
9~20 110 1,320円
21~30 140 700円
合計 2,580円

下水道にはメーターがありませんので、上水道の数値=排水したと計算されます。
また、水道料金の基本料金(口径20mm)は1,170円と定められています。

この3つを合計しますと、1,170円+2,205円+2,580円=5,955円(税別)

税率10%を乗じて6,550円になります。1㎥あたり262円となりました。

それでは、先ほどの表にドイツの1㎥の単価が5.16EURと乗っていましたね。

2020年1月時点で1ユーロは120円なので、ドイツの単価は619円です。

日本との差は2.6倍です。

  月額 年額
日本 ¥6,550 ¥78,600
ドイツ ¥15,480 ¥185,760

月額料金と年額料金を出してみますと、こんなにも水道料金が違います。

この金額差を見てどう思うでしょうか。水をバシャバシャ流しながら食器を手洗いすることに、日本人でも抵抗が出てくる方もいらっしゃるかもしれませんね。

日本の水道料金が安いからこそ、贅沢に浴槽にお湯を張って温められるのかもしれません。

海外の方はシャワーで済ませる方が多いのも、水道料金の高さが影響している可能性を排除できないように思えます。

 

市場で成長するために

ドイツを含めた欧州諸国で食洗機を受け入れてもらうためには、いかに水道水を使わなくて済むようにするかが課題でした。

そこで大型にして1日1回の使用かつ、洗浄に使う水も極力減らすように研究開発がされていきました。困難に直面しつつも、高いハードルを徐々に乗り越えて洗練された食洗機が出来上がったのでしょうね。

ミーレ・ガゲナウ・BOSCH・AEG

個人的にはどれの機種も甲乙つけがたい素晴らしい製品です。

日本メーカーも同じクオリティの製品を作ってくれると嬉しく思うのですが、現時点では海外製の食洗機には遠く及ばずといったところでしょう。