前回の記事(土地の権利証が到着しました。)で念願の土地権利証が届き、感動していたところ、地盤調査の結果から軟弱地盤ということが判明しました。
喜びも束の間、苦難の壁が立ちはだかります。
地盤調査
土地を購入する前に地盤調査は行えないため不確定要素が大きいです。
どの程度の改良工事をするかによって費用は異なりますが、50万円~150万円のレンジが平均のようです。
地盤調査依頼
土地を購入後、建築士の先生が地盤調査を行う会社を選定していただき早々に調査をしていただきました。
調査方法はスウェーデン式サウディング試験という簡易のものになります。
(SWS)スウェーデン式サウンディング試験機-渡部工業株式会社
細長いスクリューに重りを徐々に乗せ負荷をかけていき、どのくらい沈み込むか?を図っていく試験となります。
私たちの土地で行った個所は、四角形の4か所と中央の1か所の5点とハンドオーガ1点の合計6項目の調査をしていただきました。
費用は約6万円で、調査開始から約3週間で報告書の提出を受けました。
調査結果
地盤調査の結果の内容を建築士の方から説明があり「関東ローム層を期待していたが比較的に弱い地盤であった。」と報告を受けました。
私自身も関東ローム層の地域だと思っていましたので地盤改良は不要だろう、と考えていたところ、まさかの結果です・・・。
報告書を見ると足元の土壌は確かに軟弱で、2m~3m付近でも基準値を満たしていないところがマチマチでした。
建築予定の住宅は3階建てなので最低でも30kN以上が望ましいのですが、22kNがあったり、一番低いところで20kN未満も数点ありました。
これでは2階建てだとしても地盤改良は必須な状況です・・・笑
(参考文献:地盤と基礎 国民生活センター)
そのため、4mまでは地盤改良を行うわけですが費用がどの程度なのか戦々恐々です。
地盤セカンドオピニオン
調査の結果に疑問があればインターネット上で無料にてセカンドオピニオンを実施するサービスもあります。
(参考URL:地盤セカンドオピニオン 地盤ネット株式会社)
このセカンドオピニオンにより地盤改良が不要と判断されたケースが54%もあるという調査結果が出ています。
ですが、私たちは特に使用せずに地盤改良に挑もうと考えています。
理由としては建築士さんの説明・解釈が納得できる上に、木造3階建てなので構造事務所も間に入っています。
委託した建築士さんはもちろんのこと、構造屋さんの計算を信じないのであれば何のための委託契約なのだろう・・・?ということです。
お互いの信頼関係で家づくりを進めていくわけですから、どちらも一級建築士の両者を信じて話を進めていきます。
地盤改良費
地盤改良を行うということは工事費用が発生するわけですが、一体全体いくらになるのかは現時点では不明です。何やら構造事務所が多忙を極めているらしく、作業が滞っているようです。
スケジュールが後ろ倒しになるのは困ってしまうので、何とか構造計算書が期日までに届くことを祈るばかりです。
地盤改良の工法は表層改良・柱状改良のどちらかになるとの予測らしく、多分柱状改良が最有力だそうです。
そうなると費用は最低でも50万円以上を見ておかないといけないと思いますので、資金繰りをどうするかが目下の課題になりました。
50万を捻出するために、食洗機のミーレ等の高級キッチン設備を諦めなければならないのかなぁ・・・と不安ではありますが全体の見積次第で右往左往する予定です。
一般工法の種類
先ほど、表層改良・柱状改良のどちらかになる。という建築士の解釈でしたが、地盤改良の工法はその他にも多くの種類があります。
それぞれにメリット・デメリットがありますが、簡単にまとめてみました。
表層改良工法
地盤の表層が軟弱の場合にできる方法です。
標準的には1~2m程を掘り、掘った土と固化剤を混ぜ込み戻し、軟弱地盤を強固にする方法です。
杭を入れるよりかは比較的安価な工法です。
柱状改良工法
柱状改良(ちゅうじょうかいりょう)とは、土と固化剤を混ぜ、地面に杭を入れます。
地中8m未満に支持地盤があれば使用でき、施工面積によって異なりますが、30本~40本前後の杭を入れるケースが多いようです。
費用は表層改良より少々高いのが相場のようです。
しかし、柱の杭を入れることによって土地に産業廃棄物が入ったと見なされます。なので解体時の撤去費用が重くのしかかります。
鋼管杭改良
鋼管杭(こうかんくい)は、鋼製の杭を地面に埋め込む工法です。
10m以上の深い支持地盤まで到達できますので安定度はトップクラスです。
しかし、施工費用も一番高く150万円~200万円かかるケースも覚悟しなければなりません。さらに撤去費用も高コストです。
土地によっては鋼管杭ではなければならない場合もありますので、調査次第ですが200万の出費は痛すぎますよね・・・
代表的な3工法
以上の3工法が一般的な工法になります。
建築計画をしている時点でその土地にお家を建てることは決まっていますので、何かしらの地盤改良をする必要があります。
ただ、この一般的な工法のネックは「その後」なんですよね。
家を売る予定はない人も多いかもしれませんが、相続は誰にでも訪れます。その時に地中に産業廃棄物が埋まっているため、処理に四苦八苦するのは出来る限り避けたいです。
仮に土地を売却する場合でも土地の資産価値が下がるのは避けたいですよね。
それに対応する環境に配慮した工法も存在しますので、少しご紹介を。
環境配慮型の工法
環境配慮型というのは、自然物を組み込んだ方法になります。
一般的な工法ではセメントを混ぜたり、鋼製の杭を入れたりと地中に産業廃棄物が埋まり、一部では健康被害の恐れもあるのでは?という意見もあるぐらいです。
ただ、昔の話のような気もしますが、今は健康被害にならないような材料で行う工法かと思います。しかし、産業廃棄物と見なされるのは変わりません。
砕石パイル工法
砕石パイルは、スクリューで地面に穴を掘り、その中に天然砕石を埋め込む工法です。
天然のものなので産業廃棄物と見なされず、撤去の必要がありません。
また、支える柱が砕石で敷き詰められているので柱状改良のセメントのように地中で折れる可能性も低くなるメリットがあります。
改良費用は一般的な工法である柱状改良・鋼管杭よりも高くなります。
最初の工事費用は一番高いのですが、売却などの出口戦略も考えるとトータルでは安くなる計算になります。
ただ、多くの人は30年後や40年後の出費を考えるのではなく、今の出費を何とか抑えようと考えますから、一般的とは言えないかもしれません。
砕石パイル工法を取り扱っているのはHySPEED工法やエコジオ工法が知名度が高いと思われます。
環境パイル工法
名称がすでにクリーンですね。環境パイルは木の杭を用います。
柱状改良は土と固化剤を混ぜ合わせたもので柱を作る方法でしたが、それが木に置き換わります。
木だと腐ったり虫の被害が怖い気がしますが、薬剤を注入するようで60年以上の耐久性を確保しています。
改良費用は柱状改良と同程度になるようです。また、自然物ですので地中から撤去する必要もありません。
施工業者等は環境パイル(S)工法協会から確認できます。
シート工法
最後にシート工法です。
表層改良と似たような方法で、地面を掘り起こし砕石を敷き詰めた上にシートを被せます。更にその上に砕石を敷き詰めます。
これで改良ができるの・・・?と思いますが、砕石の間にシートが挟まっていることによって住宅の重さが分散される上、砕石がズレることを防ぐようです。
費用は参考情報が少なかったのですが約50万円程度だと思われます。柱状改良と似たような価格帯なことを考えると土地の資産価値を下げないシート工法はメリットが大きそうです。
施工できる業者を東京都で調べてみましたら株式会社ワイズ技研が検索HITしました。
エコジオ工法もGRRシート工法も取り扱っているようです。
どの改良方法にするか
建築士は一般的な施工方法である表面改良・柱状改良をオススメしてくれましたが、環境配慮型のエコジオ・環境パイル・GRRシートの3工法に惹かれています。
そもそもの費用がどの程度かかるのか不明ですし、構造屋さんの見積結果次第なので判断がつかないところですが、
ワイズ技研さんであれば、エコジオ工法・GRRシート工法の両者を取り扱っているので両方の見積を取ってもらい比較出来たら参考になりますよね。工務店さんの保障の絡みもあるような気がしますが・・・。
ただ、ハウスメーカーと違い提携業者が存在するわけではありません。設計事務所で建てるというのは全てが自由なのがウリですから相談してみようと思います。
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