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設計事務所用の住宅ローンの選び方。

設計事務所 住宅ローン

土地を新規に購入し、注文住宅を建てようとすると一般的な住宅ローンの流れと比べて煩雑になります。

建売住宅を購入する場合は、土地・建物の総金額が固まっているため銀行の融資もしやすく、購入日=決済日となり単純明快で資金契約も立てやすいのが魅力です。

それでは、土地を購入してからの注文住宅の場合はどのような動きになるのか見ていきましょう。

目次

銀行の選定基準

住宅ローンといっても、多くの金融機関が取り扱っています。

1.メガバンクと言われる大手銀行

2.地方に根付いた地方銀行

3.店舗を持たないネット銀行

その他にも信用金庫、信託銀行等々、選択肢は非常に多くあります。

年号が令和になっても超低金利は継続している中、各金融機関は住宅ローンの顧客の獲得が重要な経営課題として掲げています。

住宅ローンは回収困難になるケースが極めて稀で、良好な返済状況である顧客は、その他の金融商品の優良顧客となりえる可能性を秘めており、新規開拓の面もあります。

その金融機関の中で、選び放題にできるのは建売住宅を購入される方です。支払金額が確定していますので、資金計画が容易に出来るためです。

注文住宅の場合は資金の決済タイミングが複数に分かれるので、自ずと選択肢は狭まってしまいます。少ない選択肢の中、何を重点的に決めるかというと以下の表をご覧ください。

優先順位 内容
1 分割融資・つなぎ融資
2 金利
3 保証料
4 団信・付帯保険

何より重要なのが、分割・つなぎ融資が可能なのか。につきます。

優先順位を順にみていきましょう。

 

分割融資・つなぎ融資

土地の購入から建築費用まで一度自分で支払える。という方であれば心配はないのですが、親の支援があったとしても難しい方が大半です。

土地持ちで大手ハウスメーカーで建てる場合は、建物が出来上がる(竣工)時に一括で払う方法も取れるケースがあります。ただし、これが出来るのは体力のある企業のみで、中小のハウスメーカーや工務店の場合は三回の分割払いが原則です。

にも関わらず、住宅ローンの融資が得られるは建物が出来上がってからなので、融通の利かない制度となっています。

銀行の住宅ローンは大手ハウスメーカーと契約する人に対して融資するのが前提になっている節がありますので、設計事務所で建てたい。と思った場合のクリアすべきハードルの高さは中々のものです。

まず、支払回数だけでも11回は行わなければなりません。

項目 内容 回数
土地の決済 頭金・本決済 2
諸費用 仲介手数料・司法書士委託 2
設計事務所 4回払い 4
工務店 3回払い 3

建売住宅の場合は支払回数が1回です。圧倒的な手間がかかることがお分かりいただけるでしょう。

そして、銀行がこの回数を分割して融資してくれるか?という問題をクリアしなければなりません。

もちろん、10回も分割してくれる銀行はありません。基本的には2回、多くて3回が限度でしょう。事情により、4回にも応じてくれる銀行もあるでしょうが、交渉次第になります。

設計事務所に建ててもらおうと考えると、それなりの数の資金決済が待っています。

これが最初にして最大のハードルで、諦めてしまう方が多くなっているのが現状です。

お金の流れが煩雑で、より綿密に資金計画を立てないと楽しい家づくりが苦痛になりかねません。

 

さて、それでは複数回の融資に対応している金融機関はどこになるでしょうか。

まずネット銀行は原則出来ません。

ほとんどが一括融資のみを取扱としています。そもそも書類のやり取りが煩雑になるため何回も何回も打ち合わせ、調整をする余裕がなく、SBI銀行・自分銀行・ソニー銀行などは全滅です。

唯一可能なのが楽天銀行となっています。

次にメガバンクですが、みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行・りそな銀行は基本的に対応してもらえます。ただし条件はあまり良くありません。金利が高いのです。

一番柔軟なのは、みずほ銀行だと思います(2020年時点)

最後は、地銀です。神奈川県・東京都に住まわれている方は横浜銀行を検討候補に入れることをオススメします。メガバンクのように全国的に展開しておらず、地方主体なので柔軟性・融通がケタ違いに良いです。

東京でいえば、きらぼし銀行も評判が高いです。

分割融資・つなぎ融資の違いについては、以下の記事にまとめてあります。

住宅ローン つなぎ融資と分割融資の違いって?

 

金利

決済回数をクリアできたのであれば、次は総支払金額に大きな影響を及ぼす金利です。

1億円の融資を受けて35年で返済する計画を考えてみましょう。

銀行 金利 総支払額 利子 備考
横浜銀行 0.470% 108,562,464 8,562,464 変動
みずほ銀行 0.525% 109,490,521 9,490,521
きらぼし銀行 0.625% 111,361,881 11,361,881
フラット35 1.270% 123,918,151 23,918,151 固定

最大優遇を受けた場合の金利になりますが、たったの0.15%変わっただけでも200万円の差が生じます。

固定金利の場合であれば1,500万円の差で、利子だけでも2,400万円も支払う必要があり、ローコスト住宅が建ってしまいますね。

いかに金利を安く得られるか。というのが重要です。

ちなみに私は変動金利を選択しています。ある程度の条件が整うと固定金利にするメリットがあまりないためです。

金利の考え方については以下の記事にまとめてあります。

住宅ローンの金利選択は固定?変動?

 

保証料

住宅ローンという大きな金額を借り入れる場合は信託会社の保証を受けなければなりません。

100万円毎に金額が決まっていますが、5,000万円を借りる場合の保証料は110万円前後の掛け捨てで戻ってこないお金です。

半面、この保証料が不要な金融機関もあり、代表例なのがネット銀行です。

その代わり、事務手数料を2.2%取られるので結局は110万円の出費になることは変わりません。

この両者の違いは何なのか?と申しますと、借り換え時に大きな差が生まれます。

住宅ローン 融資手数料型 保証料型の違い

保証料で支払っているケースで4,000万円を借り換えした場合、およそ80万円が払い戻されます。保証する必要がなくなったので当然ですね。

では、ネット銀行ではどうなんでしょうか?

保証料ではなく事務手数料なので、1円も返ってきません。借り換えをすればするほど銀行が儲かる仕組みになっています。金利自体は安いですが、その他のデメリットも見て契約しないと痛い目を見る可能性があります。ただし借り換えをせず、ずっと同じ銀行に住宅ローンを返し続ける場合はデメリットは何もありません。にしてもネット銀行は良い方法を編み出したものです。

 

団信・付帯保険料

最後に団信やがん保険などです。

団信とは、団体信用生命保険の略称で債務者がなくなった場合に、その残債を0円にするという素晴らしい制度です。

夫単体で住宅ローンを組み、不幸にも急逝してしまった場合は住宅ローンが0円になります。これは残された妻や子供に対して生活の根幹となる「家」だけは死守してあげようという趣旨からなります。

銀行での住宅ローンの場合は団信は無料でついてくるケースが多いですが、フラット35の場合は選択制になっていますので気を付けてください。

この団信を別の視点から見ますと「死亡保険」と同義になります。

もしも、3,000万円のローンが残った状態で死亡してしまったら3,000万円の借金が0円になるわけです。つまり3,000万円の保険金を受け取ったのと同じです。

住宅ローンを死亡保険と考えて、今かけている保険を見直すことも重要ですよ。

 

次に付帯保険料ですが、三大疾病・がん保険・女性特有保険があります。

これまたややこしい制度なので気を付けなくていけないのは、どういう条件になったら適用になるのか?を詳しく見ていくべきです。

保険会社によって条件が異なり複雑ですが、以下の記事に概要をまとめました。

住宅ローン 団信と特約保証は付けるべき?

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